
コベルコクレーン株式会社の新着情報一覧 > 500トンづりクローラクレーン『SL6000J-500』の開発・販売について
2007年09月26日
コベルコクレーン株式会社
〜すぐれたクレーン性能と輸送性を両立した超大型クローラクレーン〜
コベルコクレーン株式会社(本社:東京都品川区、社長:丹野 宜弘)は、最大つり上げ能力500トンの全油圧式クローラクレーン『SL6000J-500』を開発し、10月1日より世界各国に対応できる超大型クローラクレーンのグローバル機第一弾として、国内向けに販売を開始致します。
今回の『SL6000J-500』は、全世界の地域特性に適合できるモジュール化の思想に基づいて開発したベースマシンであり、オフロード法適合エンジンの搭載はもちろん、超大型クレーンにますます強く求められる輸送のしやすさ、分解組立てのしやすさなどのユーザーニーズにも対応したグローバル商品です。
海外での先行販売の状況では、原子力・風力発電の設置、高速道路橋桁架設工事や大型プラントなどの需要増加に伴い、受注が好調です。日本国内においても、風力発電や様々なエネルギー関連プロジェクト、大型インフラ整備などの需要が見込まれることから、超大型クレーンのニーズが高まってきております。当社は、これらのニーズに応えるべく品揃えを強化し、お客様の期待に応えて参ります。
販売価格および販売目標台数は以下の通りです。
機種名 | SL6000J-500 |
---|---|
最大吊り上げ能力 | 500トン × 6.2m |
販売価格 | 77,000万円 (STD-クレーン標準仕様の場合) |
販売目標台数 | 20台/年(国内・海外の合計) |
販売開始時期 | 2007年10月1日 |
今回販売を開始する、『SL6000J-500』は、当社の従来機450トンづり「マスターテック 7450」および「マスターテック 7450SSHL」の上位機種にあたる、最大つり上げ能力500トンのニューモデルです。従来機ではSHL(スーパーヘビーリフト)仕様が必要とされてきたハードな作業でも、HL(ヘビーリフト)仕様で対応できるほどのクレーン性能を実現しています。
大型のクローラクレーンは現場まで分解して輸送し、現場で組立てて使用するものですが、つり上げ能力アップを図るとマシンが大型化・重量化するため、能力アップと分解・輸送性の両立が長年の課題でした。
今回、当社では、旋回フレーム、クローラフレーム、ラチスブームなどの各ユニットで新構造を採用、高い強度の確保と軽量化を併せて実現することにより、輸送性を高めながら、つり上げ能力も向上することが可能となりました。
また、構造物の軽量化に加えて、マスト搭載型ブーム起伏ウインチ、ブーム搭載型巻上ウインチなどの新しい分解ユニット構成を採用し、分解・組立・輸送性を改善しました。
さまざまな作業を想定した能力設定、操作機能、安全機能、耐久信頼性など、当社オリジナルの機能・機構はもちろん継承しております。
<『SL6000J-500』の主な特長> |
(1)最大つり上げ能力500トン。優れたクレーン性能を発揮
■ 各ユニットで高強度と軽量化を両立した新構造を採用
■ 各種新構造のマッチングが実現した圧倒的なつり上げ能力
■ 走行力に優れたダブルモータ構造
■ 優れたウインチ性能
(2) 輸送性/組立性/分解性を大幅に改善できる各種新機構を採用
■ 新発想のウインチレスボディとブーム/マスト搭載型ウインチ
■ 保管・輸送に有利なネスティングブーム
■ 輸送に配慮したスイングキャブ
■ 現場に合わせて選べるラッフィングジブ組立・分解方式
(3)徹底的に安全を追求した各種新機能の採用
(4) 世界各国の排ガス規制に対応
注)※:特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律
『SL6000J-500』の主要諸元
機種名 |
SL6000J-500 | ||
---|---|---|---|
型式 |
SL6000J | ||
仕様 |
STANDARD (STD) |
HEAVY LIFT (HL) |
|
ヘビーデューティ 主ブーム |
最大つり上げ能力 トン × m | 500 × 6.2 | 367.5 × 8.3 |
ブーム長さ m | 21〜42 | 36〜42 | |
ラッフィング 主ブーム |
最大つり上げ能力 トン × m | 300 × 9.3 | 300 × 9.3 |
ブーム長さ m | 30〜84 | 30〜84 | |
ロング主ブーム | ブーム長さ m | 90〜108 | |
ラッフィングジブ | 最大つり上げ能力 トン × m | 184 × 14.0 | 200 × 14.4 |
最大ブーム+ジブ長さ m | 66+72※1 | 66+72 | |
ラッフィングブーム角度 | 66°〜86° | ||
能力増大装置(HLマスト)長さ m | ― | 30 | |
ロープ速度 | 巻上1 m / min | *110〜3 | |
巻上2 m / min | *110〜3 | ||
起伏1 m / min | *(20〜2) × 2 | ||
起伏2 m / min | *30〜2 | ||
起伏3 m / min | *30〜2 | ||
旋回速度 min-1{rpm} | 0.9{0.9} | ||
走行速度 km / h | *1.0/0.6 | ||
作業時質量(基本姿勢) トン | 424 | 461 | |
平均接地圧(基本姿勢) kPa {kgf / cm2} | 136{1.4} | 148{1.5} | |
登坂能力(tanθ) %(度) | 20%(11.3) | ||
定格ラインプル kN{tf} | 137{14.0} | ||
エンジン | 名称 | 日野E13C | |
定格出力 kW / min-1 | 320/2,000 | ||
ワイヤロープ | 巻上1 mm | φ28 | |
巻上2 mm | φ28 | ||
起伏1 mm | φ28 | ||
起伏2 mm | φ28 | ||
起伏3 mm | φ28 |
各ロープ速度はドラム1層目での値です。
*印の速度は軽負荷時の値であり、負荷により速度の変動があります。
※1印のラッフィングブーム+ジブ長さには、12m中間HLマストと自立用の20トンカウンタウエイトが必要です。
単位は国際単位系のSI単位表示で、{ }内は従来表示です。
以上