2005年11月10日
コベルコクレーン株式会社
2005年9月中間期 決算概要
【2005年9月中間期の概況】 |
海外のクレーン市場は、需要拡大が続く北米、東南アジア、堅調に推移する欧州、中国に加えて、世界的な資源不足を背景に石炭・原油・天然ガス・鉄鉱石などの増産が続く中東・インド・豪州など資源国での市場伸長により、好調さを持続しています。
また、国内においても、クレーン市場は、世界的なクレーン需要の高まりによる中古車の海外輸出による国内ストック台数の減少、更新時期を迎えた機械の買い替え、排ガス規制などの環境対応などで需要が順調に回復しており、世界のクレーン市場は引続き需要拡大傾向にあるといえます。
このような需要環境の下、当社コベルコクレーン(株)は、世界的なクレーン需要の拡大をとらえて、国内及び海外の主要エリアで販売台数を大幅に伸ばすとともに、将来のグローバル展開および収益力拡大へ向けて事業基盤の整備に取り組みました。
(1)資材費高騰の影響ミニマイズに向けた販売価格の是正及びコストダウンの実行
(2)マニトワック社との連携による収益力拡大
(3)中東・インドなど急成長が続く新興国及び資源国への重点販売促進
(4)クローラークレーンのグローバルモデルの開発推進
(5)ストックビジネス強化に向けた体制整備と収益拡大
これらの取り組みにより、当中間期のクレーン新車販売台数(全クレーンメニューの総台数)は約230台を達成し、前年同期比で約35%の増加となりました(04年上期の新車販売台数は約170台)。
特に日本に加えて、北米・東南アジアならびに中東・インド・豪州における大幅な販売台数の拡大が、収益面でも大きく貢献しました。また、クローラクレーンにおいては、積極的なグローバル展開の推進により、海外売上比率(台数ベース)は、約70%を達成しております。
これらの結果、鋼材を中心とした資材費高騰などの大きな収益圧迫要因がある中で、コベルコクレーンの2005年9月中間期(2005年4月〜2005年9月)の業績は、連結経常利益ベースで前年同期比ほぼ倍増の収益を確保することができました。
<2005年度9月中間期の実績>
{単位:百万円、 ( )内は前年同期比}
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | |
---|---|---|---|---|
連結 | 16,789 (△4.6%) |
669 (+58.5%) |
718 (+94.1%) |
414 (+179.7%) |
単体 | 16,935 (+7.1%) |
738 (+52.5%) |
779 (+76.6%) |
460 (+100.9%) |
連結の売上高は、国内向けが90億円、海外向けが78億円となり、全体としては168億円となりました。また、財務面においても、グループ外部負債の健全化などに取り組みました。
【2005年度上期の事業別状況】 |
■海外市場
需要拡大傾向が続く海外市場においては、将来におけるグローバル展開に向けて以下の取り組みを行いました。
米州市場においては、代理店流通網の拡大による当社独自流通の強化により、需要拡大の契機をとらえて、販売台数を大きく伸ばしました。
欧州地域においても、大手建築業者への積極的な受注活動や大手レンタル会社との連携強化、中欧・南欧等への販売エリア拡大が奏功し、販売時期は下期にずれ込んだものの大幅に新車の受注台数を伸ばすことができました。
加えて、急成長が続く東南アジアにおいても中古車不足から新車の需要が大幅に伸び、昨年度開設したシンガポール事務所での積極的な受注活動が奏功し、前年同期比倍増となる販売台数を達成することができました。
また、中国を始めとする世界景気の拡大を受け、石炭・原油・天然ガス・鉄鉱石の増産に沸く中東、インド、豪州などの資源国での取組み強化により、販売台数を伸ばすことができました。
電力を中心としたインフラ整備により急成長を続けてきた中国市場においては、政府の金融引締め政策になどによる影響や輸入機に対する免税処置の不透明感、発電所建設用クレーンの需要の一腹感により、販売台数は前年同期を下回りました。しかしながら、引続き旺盛なインフラ整備によりクレーン需要が見込まれることから、石化・冶金関連、現地レンタル会社への販売促進に加えて、サービス拠点の拡充に取り組みました。
■米国マニトワック社とのアライアンス
昨年4月より開始した米国市場向けのクローラクレーンのOEM供給については、本年度上期も順調に推移し、販売台数は当初予定を上回ることができました。また、欧州市場向けのクローラークレーンについても準備をほぼ完了し、来年1月より排ガス3次規制に対応した4機種のOEM供給を開始する予定となっています。また、更なる生産性向上や開発効率化などを図るべく、他地域での連携強化を引続き検討しております。
更にマニトワックグループ傘下のドイツ・グローブ社製のオールテレーンクレーンのOEM調達は、今年2月より開始した最大吊上げ能力265トンに引続き、次モデルの導入準備を進めています。最終的には、4機種程度の導入を計画しており、品揃え強化を図っていきます。
■国内市場
クローラクレーン新車市場においては、需要が04年上期比8%増と好調に推移しました。当社もこの新車需要の伸びを上回る販売台数を確保することができました。
ラフテレーンクレーン市場においても、引続き好調で、04年上期比27%増と大きく需要が伸びました。その中で当社は、この新車需要の拡大をとらえるとともに、昨年度上市した12トン、16トンクラスによるラインナップ効果もあり、販売台数を伸ばしました。
生産面においても、国内および輸出機の旺盛な需要や受注拡大への対応を目指して、組立ラインを固定ピッチ流しに見直すなど、より生産効率を高め、積極的な増産対応に取り組みました。
ストックビジネスについては、ユーザー層の拡大に向けた部品・サービスの体制整備に取り組み、大幅な収益増を達成し、体質強化が図れました。
また、鋼材・原油を中心とした購入資材費高騰の影響に対し、当社は国内・海外で販売価格の是正にも取り組むとともに、海外調達も含めた調達コスト削減など収益改善を進め、大幅に収益率が向上しました。
【今後の重点課題と2005年度の見通し】 |
05年下期も世界的なクレーン需要は好調に推移すると予想されますが、鋼材・原油の高騰を背景とする購入資材費のアップなどがより深刻化し、収益圧迫要因となることが懸念されます。
このような厳しい事業環境の中、05年度の業績見通しについては、下記の重点課題に取り組むことで、04年度比で倍増の収益確保を計画しております。
<重点取り組み課題>
海外調達の推進による調達コスト削減及びコストダウン活動
資材費高騰を背景とした国内外での更なる販売価格是正
米国マニトワック社との協力体制の継続による収益拡大
中東・インド・豪州での取組強化と欧米での新規ユーザー開拓による安定台数確保
排ガス3次規制に向けたグローバルモデルの開発推進と海外モデルの上市
国内へのオールテレーンクレーン投入によるホイールビジネスの強化
ストックビジネス強化に向けた体制及び流通整備
<2005年度の見通し>
{単位:百万円、 ( )内は前年度比}
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 | |
---|---|---|---|---|
連 結 | 37,800 (+8.6%) |
1,800 (+105.5%) |
1,650 (+107.8%) |
900 (+114.3%) |
単 体 | 37,300 (+16.2%) |
1,700 (+88.3%) |
1,550 (+83.9%) |
850 (+103.4%) |
*2005年度における為替レート前提: 1米ドル=105円、1ユーロ=130円
以上
○決算発表関連資料はこちら
■会社概要
社 名 | コベルコクレーン株式会社 |
---|---|
英 社 名 | KOBELCO CRANES CO.,LTD. |
創 立 | 2004年4月1日 |
本社所在地 | 東京本社:東京都品川区東五反田2-17-1 TEL 03-5789-2130(代表) |
資 本 金 | 73.8億円 (株)神戸製鋼所 100% |
代表取締役 | 丹野 宜弘(たんの よしひろ) |
事業内容 | 建設機械の開発、生産、販売並びにサービス |
ホームページ | http://www.kobelco-cranes.com/ |