「パンサーX250」(以下パンサーX)の開発は、厳しい経済環境の中で芽生えた。コンセプト段階から関わってきた丸山克哉は、「バブル経済の崩壊以降、ホイールクレーン市場は縮小傾向。そのため、他社と共同開発した製品はあったものの、純粋に自社製の製品は1999年以降、出していなかった」と語る。社内にはホイールクレーン市場からは撤退という意見すらあった。
その流れに抵抗するように丸山らは、まず新しい小型のラフテレーンクレーン(RTC)を考え始めた。エンジンの上部配置、低重心設計など、パンサーXの基本的な考え方がこのときに生まれる。さらにHST(静油圧変速機)の採用も検討した。だが市況はどん底状態。結局、提案を中断せざるを得なかった。
しかしホイールクレーンの重要性を感じる社員も少なくなかった。「顧客の信頼を築くうえで自社製ホイールクレーンが必要だった」と営業管理部の白鳥靖人は語る。また、コベルコにはホイールクレーンへの情熱を持った社員がたくさんいた。その火を消したくないという思いを多くの社員が持っていた。
開発陣はあきらめきれないまま、じっとチャンスを待った。




