実機での検証は、試作機を3台製作して行われた。「多くの新技術を採用したので、検証すべきことは多く、予想外の現象も起き、試験項目は増えていった」と品質保証部の石原良樹は語る。ドラムブレーキの温度に問題が生じ、3カ月半に亘ってブレーキの温度分布を計測し続けたこともあった。
パンサーXでは、発進加速性に優れ、変速が滑らかであることからHSTによる油圧走行駆動方式を採用した。しかし、試作機での検証に携わった藤木輝昭は「油圧が高圧のため、配管の固定部分が破損したり、ボルトが緩むなどの問題も出てきた。部品を変えてはやり直す。そんなことを20回以上も繰り返した」。通常、試作機による検証は1年程度で終わることが多いが、「パンサーXでは、走行性能の検証一つ取っても、3年くらいかけた」(藤木)
ぎりぎりの重量の中で開発しているため、個々の要素技術がわずかに重くなるだけで、合計したときには目標の重量を越えてしまうのも難しいところだった。
「ピンチは何度もあったが、周囲の協力で前へ進むことができた。神戸製鋼の研究所やエンジンの供給元である自動車メーカからのアドバイスにも助けられた」(丸山)




