コベルコ建機株式会社
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多様な技術を導入し、環境対応を徹底する

走行車両の浄化装置をクレーンに初めて搭載

 厳しい排ガス規制に対応する答えの一つが、バスやトラックなどの走行車両に使われている浄化装置の搭載だった。これはクレーンでは初の挑戦。「浄化装置の設置については、エンジンメーカからさまざまな条件や制約が課せられている。そのため、吸気から排気まで各機器をどのように配置すべきか知恵を絞りました」(丹治)。エンジンメーカと緊密に連絡を取りながら、浄化装置の性能が発揮できるように、最適な機器配置を目指した。
 また、エンジンの負荷や使われ方が車両とまったく異なるため、浄化装置の制御 もクレーンに最適の制御システムが必要となった。Gシリーズの電気制御全般を設計した石原英明は次のように語る。「エンジンメーカと何度も協議し、試験を繰り返しながら、クレーンにとってベストの制御パターンを導き出しました」

複数の機能で環境性能を向上

 むろん、環境への対応はこれだけではない。最大25%の燃費削減を可能にする新省エネシステム「Gモード」を開発、搭載した。このシステムはエンジンの回転数を上げなくても、最高ラインスピードでの巻上げ・巻下げを可能にする「Gウインチ」、同じ作業でもより高い燃費改善効果が得られる「Gエンジン」、待機時に自動でエンジンが停止する「オートアイドルストップ(AIS)」という3つの機能を導入(右上図)。これらの相乗効果により、環境性能を大幅に向上させている。
 国内はもちろん、海外でも環境性能への期待は大きい。海外営業の橋本精夫は「ガソリン価格の不安定な昨今、省エネの付加価値は高いと思います」と語る。

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